伊豆大島(東京都大島町)へ移住・引越するに当たり、自治体のお財布状況は気になりますよね?
大島町は自主財源が23%のため、残りの77%は国や東京都からお金をもらったり、借金(地方債・町債)するなどして乗り切っています。
そんな状況なので、東京都が島しょ地域向けの予算を増やすか減らすかは、島民にとっても大事なお話です。そこで今回は令和7年1月31日に発表された『令和7年度東京都予算案の概要』の中から島に関するトピックをご紹介します。
- 令和7年度東京都予算案(概要)の島しょ地域への使い道
- 令和7年度東京都予算案の概要(Ⅷ 多摩・島しょの振興)2,963億円
- 多摩・島しょの振興(成熟社会に対応した持続可能なまちづくり)2,636億円
- 多摩・島しょの振興(島しょにおける個性と魅力あふれる地域づくり)339億円
- 【番外編】【新設・値上げ】大島公園海のふるさと村 バンガロー等
- 令和7年度6月補正予算案(メイン:今夏の水道基本料金を無償化)と島しょ地域への影響
- まとめ
令和7年度東京都予算案(概要)の島しょ地域への使い道
令和7年1月31日(金)に「令和7年度東京都予算案の概要」が発表。
一般会計歳出総額:9兆1,580億円(うち「Ⅷ 多摩・島しょの振興」は2,963 億円)
あくまで案なので、確定するには都議会で可決されることが必要。
令和7年度東京都予算案の概要(Ⅷ 多摩・島しょの振興)2,963億円

令和7年度東京都予算案の概要のうち、「多摩・島しょの振興」のカテゴリーを見てみると、予算額は2,963億円になっています。
さらに「多摩・島しょの振興」が2つのカテゴリー「1 成熟社会に対応した持続可能なまちづくり(2,636億円)」と「2 島しょにおける個性と魅力あふれる地域づくり(339億円)」に分けられます。
※*柱の予算額は、一部重複する事業があるため合計は一致しない場合があります。
いくつか中身をピックアップしてご紹介します◎
多摩・島しょの振興(成熟社会に対応した持続可能なまちづくり)2,636億円
<市町村総合交付金:705億円>
・市町村行財政基盤の安定・強化及び多摩・島しょ地域の一層の振興を図るため、市町村に対する総合的な財政支援を実施

<多摩・島しょ安定集客促進事業:2億円>
・年間を通じた安定的な旅行者の誘致につながる観光コンテンツの開発やプロモーションなどの新たな取組を支援し、多摩・島しょ地域の観光産業の持続的な発展を促進
<【新】移住・定住促進市町村支援事業:1億円>
・都が主体となって取り組んできた移住定住促進施策について、移住定住に向けた市町村の意欲が向上してきたことから、人口減少が進むエリアにおいて都が市町村の自主的な取組を後押しする補助事業に再構築

<【新】多摩・島しょ移住定住発信事業:0.2億円>
・空き家を有効活用した移住事例や地域で活躍する移住者・関係人口と地元住民が連携した取組などを広く発信
<【新】島しょ山村地域における暮らし体験・空き家見学ツアー:0.2億円>
・島しょ山村地域の生活・文化の体験などを行うとともに、空き家バンク等掲載物件や空き家活用の優良事例を見学するツアーを実施

<島しょ地域における都道等の無電柱化(再掲):77億円>
・新たな整備手法の導入などを図り、緊急整備区間の令和7年度整備完了や先行する利島・御蔵島における「電柱のない島」の実現を目指し、取組を推進
<【新】島しょ地域の衛星通信による情報通信基盤の冗長化対策(再掲):2億円>
・海底ケーブルの断線による通信障害の発生に備え、島民が利用できる通信手段として島しょ地域すべての町村に衛星を活用した通信環境を確保し、情報通信の多重化を推進
<【新】ファンドを活用した多摩・島しょ地域における中小企業支援:20億円>
・多摩・島しょ地域において事業展開を行うベンチャー企業や中小企業を後押ししていくことで、地域における経済の持続的な発展を促進

<【新】島しょ貝類陸上養殖事業化試験:0.1億円>
・島産貝類の供給量増加に向け、養殖の事業化手法を確立するため、栽培漁業センターの種苗と漁業協同組合などの蓄養施設を活用して、陸上養殖の実証試験を開始
<大島キョン防除事業:9億円>
・大島に生息する特定外来生物のキョンの根絶に向けて、森林域における組織的な銃器捕獲や市街地エリアの張り網などの対策を実施
多摩・島しょの振興(島しょにおける個性と魅力あふれる地域づくり)339億円
<島しょの「魅力再発見」と「ブランド化」に向けた取組:10億円>
・各島の魅力再発見とブランド化に向けた自発的・継続的取組を支援

【2024年10月2日】東京宝島推進委員会(第9回)
【2024年10月1日】東京宝島チャレンジプロジェクト支援対象者を決定
【2024年9月18日】「東京宝島チャレンジプロジェクト」二次審査(コンテスト)
<東京宝島 サステナブル・アイランド創造事業:19億円>
・島しょ地域の持続的発展や特色ある宝物の発掘、魅力の創造につながる、町村の意欲的な公民共創の取組を支援

<【新】都立大島公園「海のふるさと村」リニューアルに向けたPR:0.3億円>
・令和7年4月リニューアルオープン予定の都立大島公園「海のふるさと村」の魅力や島の観光資源などのPRのため、SNS等による情報発信を強化
<【新】島の港Re活用(港湾):0.2億円>
・遊休化した用地や水域などの施設を利活用することにより、消費増進(地元食材によるバーベキュー等)や交流促進(釣り体験等)を推進し、港湾を拠点とした賑わいや雇用の機会を創出
<キャッシュレスを活用した島しょ地域誘客促進事業:6億円>
・島しょ地域で利用できるプレミアム付き宿泊旅行商品券「しまぽ通貨」の規模を拡充し、閑散期なども含めた誘客を促進することで、島しょ地域の更なる観光振興を推進(規模:⑥8万セット→⑦12万セット)
<【新】島しょ地域のバリアフリー観光整備支援事業:2億円>
・障害者などが島しょ地域の観光を楽しむことができる環境を整備するため、観光施設や島内交通のバリアフリー化を支援
<【新】島しょ地域リハビリテーション提供体制構築支援事業:0.2億円>
・関係機関による切れ目のない連携及び島内でのリハビリテーション実施のため、本土との連携体制を構築し、本土の医療機関で治療を終えた患者の早期帰島を実現

【番外編】【新設・値上げ】大島公園海のふるさと村 バンガロー等
令和7年1月31日(金)に発表された「令和7年度東京都予算案の概要」の付属資料「使用料・手数料の改定等」に値上げ情報が載っていたので、ご紹介します。
【自然公園の施設使用料】
大島公園海のふるさと村 キャンプ場
・バンガロー(1室・1泊)【新設】12,000円
・デッキテントサイト(一般・1人・1泊)【改定】 300円 → 1,000円
・フリーテントサイト(一般・1人・1泊)【改定】 200円 → 800円
令和7年度6月補正予算案(メイン:今夏の水道基本料金を無償化)と島しょ地域への影響
令和7年度6月補正予算(案)の編成の考え方
【令和7年度6月補正予算(案)の編成の考え方】
・物価高騰の影響により実質賃金がマイナスの状況が続く中、都民の命と健康と暮らしを守るため、今夏に予想される猛暑において、暮らしへの不安から都民がエアコン等の利用を控えることのないよう、暑さ対策にも資する迅速かつ効果的な取組を実施する。
・今年の夏に限った臨時的な特別措置として、都民の光熱水費の軽減につながるよう、水道料金の基本料金を無償とし、財源については今年度の特例的な事情等を踏まえた歳入・歳出の精査により捻出する。
東京都水道局の管轄外の「伊豆大島」の水道代はどうなる?
東京都は、今回の補正予算案で「水道料金に係る基本料金無償臨時特別交付金【総務局】」として、10億円を計上しています。
内容としては、都の水道料金に係る基本料金無償臨時特別措置を踏まえ、都水道局の区域外で水道事業(上水道・簡易水道)を行う市町村が同様の措置を行う場合に、当該市町村に対して基本料金の収入相当額等を交付するとなっています(対象:13市町村※3市(武蔵野市、昭島市、羽村市)2町8村(檜原村、島しょ地域)、規模:20万件)
そのため、補正予算案が可決された場合、大島町長が都と同様の措置(今夏の水道基本料金を無償化)を行う決断をし、大島町議会もok(定例議会のタイミングに合わなければ、臨時議会を開催するか、臨時議会開かずに専決して議会には事後報告か、を選択する必要があります。)となれば、伊豆大島のこの夏は水道基本料金の無償化が実現できそうです。
【2025年5月20日】東京都、猛暑対策として水道基本料金を無償化 エアコン使用促進へ
【2025年5月20日】夏の4か月分、東京“水道基本料”無償化へ 1世帯あたり、どのくらい軽減される?【Nスタ解説】
【2025年5月20日】東京都が今夏の水道基本料金を無償化へ…全800万世帯が対象 猛暑や物価高対策として
まとめ
今回はなかなか知る機会の少ない自治体の予算に関する情報、
【大島町にまつわるお金の話編】令和7年度東京都予算案(概要)・補正予算案をご紹介しました。
今後の島生活のお役に立つと嬉しいです☆
コメント
島しょ地域における都道等の無電柱化の予算が77億円(昨年は59億円)とは驚きです。
「緊急整備区間」「優先整備区間」「一般整備区間」の3つに分類して、2030年代までに島しょ地域における都道240kmのうち170kmを無電柱化する計画のようです。
仮に年70億円、10年間とすれば総額700億円、島しょ地域の総人口は約24,000人なので、住民1人あたり約300万円の予算となります。
無電柱化にこのような多額の予算をかけるくらいなら、移住・定住化対策など島しょ地域の活性化のために有効な予算の使い道があると思います。